英米系地政学
今回は英米系地政学についてであるが、マッキンダーの「デモクラシーの理想と現実」、ニコラス・J・スパイクマンの「世界政治と米国の戦略」についてである。
英米系地政学は最近、日本ではじょじょに広まってきており、本もたくさん紹介されている。しかし、本格的な地政学の本として紹介できるのは、古典的は英米系地政学のマッキンダーとスパイクマンではないかと考える。
マッキンダーの有名な「東欧を制するものがハートランドを制し、ハートランドを制するものが世界島を静し、世界島を制するものが世界を制する」というユーラシア大陸の大国の世界戦略を見事にいい当てている点にある。
そして、マッキンダーは、東欧防衛のためにフランス、イギリス、アメリカのヨーロッパとアメリカの軍隊をヨーロッパに駐留させ、ハートランドの脅威を抑止することが効果的だと論じた。
また、スパイクマン地政学では、ユーラシア大陸がロシアや中国のような軍事大国に支配されれば、将来的にアメリカの安全は脅かされると論じ、ユーラシア大陸の外縁部であるリムランドの国家と連携して、ユーラシア大陸の大陸国家を包囲分断し、ユーラシア大陸を支配できないようにすることを論じた。
スパイクマンは、日本、イギリス、アメリカの海洋国家の海軍によって世界の海を支配し、中国やロシアが世界の海を支配することを阻止すべきと説いている。