ポスト冷戦論で読み解く予測された冷戦後の世界

 ポスト冷戦論について日本では、ポスト冷戦論というとなんとなく、ふわふわした抽象的な国連中心主義やリベラルな平和論を語りたがる人が多いが、実際は、アメリカのフランシス・フクヤマの歴史の終わり、サミュエル・ハンチントン文明の衝突、ジョン・J・ミアシャイマーの大国政治の悲劇などの著作などでポスト冷戦論を主張されていた。

 まず、フランシス・フクヤマの歴史の終わりでは、リベラルの民主主義がフランス革命ナショナリズムでヨーロッパに拡大、その後、西欧の民主化と共にファシズム共産主義との思想戦、イデオロギー戦に勝利し、冷戦後は自由民主主義が人類にとって普遍的価値観となり、リベラルデモクラシーの勝利宣言を行うというものであった。

 その後、サミュエル・ハンチントン文明の衝突においては、冷戦後の世界はイデオロギーではなく、それぞれの文明圏に属する国家が束になって結束し、文明観の違いから戦争が起こりやすくなり、文明の境界線を越えたフォルト・ライン戦争が起こりやすくなるというものであった。

 そして、西欧文明と儒教イスラム・コネクションによる戦争がこれからの21世紀の戦争であり、その戦争は2020年まで続くとされていた。

 最後のジョン・J・ミアシャイマーの大国政治の悲劇では、冷戦後の世界においては、世界情勢は第二次世界大戦や近代ヨーロッパ古典外交のように多極化し、バランス・オブ・パワー、勢力均衡論の観点から国際政治は動くと予測していた。

 そして、アメリカと中国との間での新冷戦を予測し、中国に対する封じ込め政策の必要性を主張し、幕を閉じる。